申請するか決めていなくても相談できます
障害年金について調べていると、
「自分は対象になるのだろうか」
「初診日がわからない」
「書類を自分で準備できるだろうか」
「社会保険労務士へ相談すると、すぐ契約しなければならないのだろうか」
と不安になることがあります。
社会保険労務士は、年金や社会保険に関する相談に対応する国家資格者です。障害年金についても、受給要件の確認、受診歴の整理、必要書類の準備などについて相談できます。
相談したからといって、必ず申請したり、申請支援を依頼したりする必要はありません。
まずはご自身の状況を伝え、何を確認する必要があるのか、どのような準備が必要なのかを聞いてから考えることができます。
社会保険労務士とは
社会保険労務士は、労働・社会保険や年金に関する法令を扱う国家資格者です。
障害年金については、社会保険労務士ごとに対応分野や経験、相談方法、料金体系などが異なります。
すべての社会保険労務士が障害年金の申請支援を主な業務としているわけではありません。
相談先を選ぶときは、障害年金への対応状況や、対応している傷病、相談方法などを確認しましょう。
どのようなことを相談できますか
社会保険労務士には、主に次のような内容を相談できます。
対象となる可能性について
- 初診日の考え方
- 初診日に加入していた年金制度
- 保険料納付要件
- 障害認定日の考え方
- 日常生活や仕事への影響
- 障害年金の対象となる可能性がある傷病
- 働きながら申請する場合の考え方
社会保険労務士への相談だけで、受給できることや障害等級が確定するわけではありません。
実際の支給は、提出された書類をもとに日本年金機構などが審査して決定します。
初診日や通院歴について
- 最初に受診した医療機関の確認
- 病名が変わっている場合の受診歴
- 通院していなかった期間の整理
- 初診時の医療機関が閉院している場合
- 診療記録が残っていない場合
- 受診状況等証明書の準備
- 手元の資料が確認材料になる可能性
初診日は、障害年金の種類や保険料納付要件、障害認定日を確認する基準になります。
記憶だけで初診日を決めず、受診記録や傷病の経過を整理することが大切です。
申請書類について
- どの請求方法を検討するか
- 使用する診断書の種類
- 診断書を依頼する時期
- 受診状況等証明書が必要か
- 病歴・就労状況等申立書の作成
- 年金請求書の記入
- 戸籍や住民票などの添付書類
- 提出前の書類確認
障害年金の請求に使用する診断書や関連書類は、日本年金機構が所定の様式を定めています。必要書類は、初診日、受診歴、請求方法、家族構成などによって異なります。
医師へ診断書を依頼するとき
- 使用する診断書の様式
- 診断書に記載してもらう時点
- 日常生活の状況を整理する方法
- 就労状況や職場の配慮の整理
- 医師に伝わっていない生活上の困りごと
- 過去の診断書が必要になる場合
診断書は医師が医学的な判断に基づいて作成します。
社会保険労務士が診断内容や障害等級を指定したり、事実と異なる記載を求めたりすることはできません。
日常生活や就労の実情を整理し、主治医へ正確に伝えるための準備について相談できます。
不支給や等級について
過去に障害年金を申請し、不支給となった方や、想定していた等級と異なる決定を受けた方も相談できます。
相談時には、次の書類があると状況を確認しやすくなります。
- 年金請求書の控え
- 診断書の控え
- 病歴・就労状況等申立書の控え
- 受診状況等証明書の控え
- 不支給決定通知書
- 年金証書
- 等級変更や支給停止の通知
- 日本年金機構などから届いた照会文書
不服申立てには期限があります。
通知を受け取った後に対応を検討する場合は、早めに相談しましょう。
どの段階で相談すればよいですか
社会保険労務士へ相談する時期に、決まった正解があるわけではありません。
次のような段階で相談できます。
申請できるかわからない段階
初診日、保険料納付要件、障害の状態などを整理し、これから何を確認すればよいかを相談します。
初診日を調べている段階
受診した医療機関が複数ある、最初の医療機関が閉院しているなど、通院歴の整理に迷っている段階です。
年金事務所で書類を受け取った段階
必要書類の準備方法、診断書を依頼する前の確認、病歴・就労状況等申立書の作成などを相談します。
自分で準備を進めている段階
途中まで作成した書類や集めた資料を確認してもらい、今後の進め方を相談します。
申請後または結果が届いた段階
追加書類の案内、不支給、等級変更、支給停止などについて相談します。
書類をすべて集めてからでなければ相談できないわけではありません。
相談だけでもよいのでしょうか
相談だけで終えることもできます。
社会保険労務士へ相談した後に、
- 自分で手続きを進める
- 家族に手伝ってもらう
- 年金事務所で相談を続ける
- 申請支援を依頼する
- 今は申請せず、しばらく考える
といった選択ができます。
ただし、相談料がかかるか、初回相談に含まれる内容はどこまでかは、社会保険労務士によって異なります。
料金と相談範囲を確認しましょう。
相談と申請支援は異なります
一般的な相談と、実際の申請支援は同じではありません。
相談
現在の状況を伝え、要件や必要な準備、今後の進め方について助言を受けます。
申請支援
契約内容に応じて、受診歴の整理、書類作成の支援、年金事務所とのやり取り、請求書類の提出などを依頼します。
社会保険労務士が代理人として年金相談や手続きを行う場合は、原則として本人が作成した委任状が必要です。
どこまで依頼できるかは、契約内容や個別の状況によって異なります。
社会保険労務士へ依頼しても、必ず受給できるわけではありません
社会保険労務士へ申請支援を依頼しても、障害年金の支給や障害等級が保証されるわけではありません。
支給の可否や障害等級は、初診日、保険料納付要件、診断書、病歴・就労状況等申立書などをもとに、日本年金機構などが審査して決定します。
次のような表現には注意しましょう。
- 必ず受給できます
- 確実に○級になります
- 依頼すれば審査に通ります
- 医師に希望する内容を書いてもらえます
相談時には、受給の見込みだけでなく、難しい点や確認が必要な点も説明してもらいましょう。
年金事務所と社会保険労務士の違い
年金事務所では、障害年金の制度、保険料納付要件、必要書類、提出方法などについて相談できます。
また、街角の年金相談センターでは、年金相談や年金請求書の預かりなどのサービスを無料で受けられます。街角の年金相談センターは、日本年金機構からの委託により、全国社会保険労務士会連合会が運営しています。
一方、個別に契約する社会保険労務士には、契約内容に応じて、受診歴や生活状況の整理、申立書の作成支援、請求書類の準備などを継続して依頼できます。
どちらがよいというものではありません。
ご自身で進められる範囲、傷病や受診歴の状況、書類作成の負担、費用などを考えて選びましょう。
相談方法を確認しましょう
社会保険労務士によって、対応している相談方法が異なります。
- 事務所での対面相談
- 電話相談
- オンライン相談
- メールや問い合わせフォーム
- 自宅や医療機関などへの訪問
- ご家族からの相談
オンラインで全国から相談を受けている社会保険労務士もいれば、対応地域を限定している場合もあります。
訪問相談では、交通費や出張費が必要になることがあります。
ご家族だけで相談できる場合もあります
ご本人が外出できない、人と話すことが難しい、申請するか迷っているといった場合は、ご家族が先に相談できることがあります。
ただし、ご本人の年金記録の確認、医療機関への問い合わせ、代理手続きなどを進める場合は、本人の同意や委任状が必要になることがあります。
年金相談や手続きを代理人へ委任する場合は、原則として本人が作成した委任状を提出します。
相談予約時に、ご家族だけの相談に対応しているか、何を準備すればよいかを確認しましょう。
相談前に準備しておくとよいもの
すべてをそろえる必要はありません。
手元にあるものだけで構いません。
ご本人について
- 氏名、生年月日、住所
- 基礎年金番号がわかるもの
- 初診日当時の職業
- 現在の就労状況
- 障害者手帳の有無
- 現在受けている年金や手当
病気やけがについて
- 現在の病名
- 主な症状
- 症状が始まった時期
- 最初に受診したと思われる医療機関
- これまでに受診した医療機関
- 現在通院している医療機関
- 入院、手術、治療の経過
日常生活について
- 一人でできないこと
- 家族などから受けている援助
- 通院や服薬の管理状況
- 良い日と悪い日の差
- 外出や人との交流の状況
仕事について
- 雇用形態
- 勤務時間と勤務日数
- 仕事内容
- 職場で受けている配慮
- 欠勤、遅刻、早退
- 休職や退職の経過
- 帰宅後や休日の状態
手元にある書類
- 診察券
- お薬手帳
- 医療費の領収書
- ねんきん定期便
- 年金事務所でもらった書類
- 診断書や申立書の控え
- 障害者手帳
- 休職や退職に関する書類
- 過去の決定通知書
わからないことや、持っていない書類があっても相談できます。
相談時に聞いておきたいこと
相談先を選ぶときは、次のようなことを確認しましょう。
対応内容
- 障害年金の相談に対応しているか
- ご自身の傷病について相談できるか
- 初診日の確認が難しい案件に対応しているか
- 働いている方の申請に対応しているか
- ご家族からの相談に対応しているか
- 不支給後の相談に対応しているか
支援の範囲
- 初診日の確認をどこまで支援するか
- 医療機関との連絡を行うか
- 診断書を依頼する前の整理を行うか
- 病歴・就労状況等申立書を誰が作成するか
- 年金事務所とのやり取りを行うか
- 書類提出後の照会に対応するか
- 決定後の手続きに対応するか
連絡方法
- 主な連絡手段
- 相談できる曜日や時間
- 返信までの目安
- 面談の回数
- オンライン対応の有無
- 家族も同席できるか
費用について確認しましょう
社会保険労務士へ申請支援を依頼する場合の費用は、事務所によって異なります。
主な費用の形には、次のようなものがあります。
- 初回相談料
- 着手金
- 申請準備や書類作成に関する報酬
- 支給決定時の報酬
- 診断書や証明書の取得費用
- 戸籍や住民票などの実費
- 交通費や出張費
- 不服申立てを依頼する場合の費用
「成功報酬」と表示されている場合も、何をもって成功とするのか、報酬の計算方法、最低報酬額、着手金の有無などを確認しましょう。
契約前に確認したいこと
申請支援を依頼するときは、契約書や委任内容を確認します。
少なくとも、次の項目を確認しておきましょう。
- 契約の相手方
- 依頼する業務の範囲
- 費用と支払時期
- 追加費用が発生する場合
- 契約を途中で終了する場合の取扱い
- 不支給となった場合の費用
- 医療機関との連絡方法
- 個人情報の取扱い
- 書類の保管と返却
- 連絡を担当する社会保険労務士
わからない部分は、契約前に質問しましょう。
説明を聞いたうえで、いったん持ち帰って考えることもできます。
相談先を選ぶときの見方
障害年金を扱う社会保険労務士を選ぶときは、次のような点を確認するとよいでしょう。
- 対応地域
- 対面・電話・オンラインなどの相談方法
- 主に対応している相談内容
- ご家族からの相談への対応
- 働いている方への対応
- 初診日の確認が難しい場合への対応
- 料金体系
- 契約後の支援範囲
- 説明のわかりやすさ
- 質問しやすいか
- 受給を断定するような説明をしていないか
知名度や事務所の大きさだけでなく、ご自身やご家族が安心して状況を話せるかも大切です。
相談後に依頼しない選択もできます
相談を受けた後に、その社会保険労務士へ依頼しないこともできます。
たとえば、
- 自分で申請することにした
- 家族ともう少し話し合いたい
- 主治医に相談してから決めたい
- ほかの社会保険労務士の情報も確認したい
- 今は申請しないことにした
という選択ができます。
ただし、すでに有料相談や業務を依頼している場合は、契約内容に応じた費用が発生します。
ご自身で申請することもできます
障害年金は、必ず社会保険労務士へ依頼しなければ申請できない制度ではありません。
ご自身やご家族で年金事務所へ相談し、必要書類を準備して申請することもできます。
年金事務所や街角の年金相談センターでは、年金制度や請求手続きについて相談できます。
次のような場合は、社会保険労務士への相談を検討してもよいでしょう。
- 初診日がわからない
- 医療機関が複数ある
- 初診時の医療機関が閉院している
- 病名が途中で変わっている
- 通院していない期間が長い
- 日常生活の状況を整理しにくい
- 働いている状況をどのように説明するか迷っている
- 書類作成の負担が大きい
- 過去に不支給となっている
- ご本人だけでは手続きを進めることが難しい
よくある疑問
相談すると申請しなければなりませんか
相談しただけで、申請や契約が必要になるわけではありません。
相談後に、ご自身で手続きする、依頼する、今は申請しないなどを考えられます。
書類がなくても相談できますか
現在わかっている病名、初診時期、医療機関、生活状況などを伝えるところから相談できます。
手元にある資料があれば持参しましょう。
社会保険労務士へ依頼すれば必ず受給できますか
支給や障害等級が保証されるものではありません。
日本年金機構などによる審査で決定されます。
医師を説得してもらえますか
社会保険労務士が、医師へ事実と異なる診断書や特定の等級に合わせた記載を求めることはできません。
実際の日常生活や就労状況を整理し、医師へ正確に伝えるための準備について相談できます。
家族だけでも相談できますか
家族だけの相談に対応している場合があります。
本人の年金記録の確認や代理手続きを進める場合は、委任状などが必要になることがあります。
相談料や報酬は同じですか
料金体系は社会保険労務士や事務所によって異なります。
契約前に、費用と支援範囲を確認しましょう。
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社会保険労務士ごとに、対応している相談内容、地域、相談方法、料金、申請支援の範囲は異なります。
相談や申請支援を依頼する前に、費用、業務内容、契約条件をご自身でご確認ください。
社会保険労務士への相談や依頼によって、障害年金の支給や障害等級が保証されるものではありません。
障害年金の支給は、初診日、保険料納付要件、障害の状態、診断書などの提出書類をもとに、日本年金機構などが個別に審査して決定します。