何から始めればよいか、順番に確認しましょう

障害年金の申請では、初診日の確認、年金保険料の納付状況の確認、診断書の準備など、いくつかの手続きが必要です。
必要な書類は、ご本人の病気やけが、初診日、これまでの受診歴、請求方法、家族構成などによって異なります。
最初からすべての書類を集める必要はありません。
先に医療機関へ診断書を依頼すると、使用する様式や記載してもらう時点が異なり、取り直しになることがあります。
まずは初診日や受診歴を整理し、年金事務所などで必要書類を確認してから準備を進めましょう。


障害年金を申請するまでの基本的な流れ

障害年金の申請は、おおむね次の順番で進めます。

1.初診日を確認する

最初に、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を確認します。
現在通院している医療機関を初めて受診した日が、初診日とは限りません。
以前に同じ病気やけがで別の医療機関を受診していた場合は、その医療機関までさかのぼって確認します。
初診日は、障害基礎年金と障害厚生年金のどちらに該当する可能性があるか、保険料納付要件を満たしているかなどを確認する基準になります。

▶︎▶︎初診日について詳しく見る


2.年金の加入記録と保険料納付要件を確認する

初診日がわかったら、その時点で加入していた年金制度と、初診日の前日までの保険料納付状況を確認します。
原則として、保険料を納付した期間と免除などが承認された期間を合わせて、一定の要件を満たす必要があります。
20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料納付要件はありません。
年金記録は、ねんきんネット、ねんきん定期便、年金事務所などで確認できます。
ご自身による計算だけでは正確に判断しにくいため、年金事務所などで障害年金の保険料納付要件を確認すると安心です。

▶︎▶︎保険料納付要件について詳しく見る


3.請求方法と必要書類を確認する

障害年金には、主に次のような請求方法があります。

障害認定日による請求

障害認定日の時点で、法令に定める障害の状態に該当していた場合の請求です。
過去の障害認定日にさかのぼって請求する場合は、障害認定日頃の状態を記載した診断書が必要になります。
障害認定日と請求日が大きく離れている場合は、過去の診断書に加えて、請求時に近い時点の診断書も必要になることがあります。

事後重症による請求

障害認定日の時点では障害等級に該当しなかったものの、その後に症状が重くなった場合の請求です。
原則として、請求した月の翌月分から支給の対象となります。

20歳前傷病による請求

20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある方が、一定の障害の状態になった場合の請求です。
保険料納付要件はありませんが、本人の所得による支給制限などがあります。
どの請求方法になるかによって、診断書に記載してもらう時点や必要書類が異なります。


4.初診日を証明する書類を準備する

現在診断書を作成する医療機関と、初診時の医療機関が異なる場合は、一般的に「受診状況等証明書」が必要です。
受診状況等証明書は、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医療機関を受診した日を明らかにするための書類です。
初診時の医療機関が閉院している場合や、診療録が残っていない場合は、通常の受診状況等証明書を取得できないことがあります。
その場合は、「受診状況等証明書が添付できない申立書」や、初診日を確認するための参考資料などを検討します。
必要となる資料は個別の状況によって異なるため、年金事務所などへ確認しましょう。

▶︎▶︎初診日の証明について詳しく見る


5.医師へ診断書を依頼する

障害年金の診断書には、病気や障害の種類に応じた所定の様式があります。

主な診断書には、次のようなものがあります。

  • 眼の障害用
  • 聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害用
  • 肢体の障害用
  • 精神の障害用
  • 呼吸器疾患の障害用
  • 循環器疾患の障害用
  • 腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用
  • 血液・造血器・その他の障害用

同じ病名であっても、障害の現れ方によって使用する診断書が異なる場合があります。

また、請求方法によって、診断書に記載してもらう時点も異なります。
診断書の作成を依頼する前に、使用する様式と記載してもらう時点を、年金事務所などで確認しましょう。


6.病歴・就労状況等申立書を作成する

病歴・就労状況等申立書は、障害の原因となった病気やけがについて、発病から現在までの経過、受診状況、日常生活、就労状況などを記載する書類です。
原則として、ご本人やご家族など請求者側が作成します。

記載する主な内容は、次のとおりです。

  • 症状が現れた時期
  • 初めて医療機関を受診した時期
  • 受診した医療機関と治療の経過
  • 通院していなかった期間とその理由
  • 症状の変化
  • 日常生活への影響
  • 仕事や学校への影響
  • 休職、復職、退職などの経過
  • 現在の生活・就労状況

受診歴は、原則として期間を空けずに、発病から現在まで時系列で記載します。

診断書と大きく異なる内容にならないよう、診察券、お薬手帳、医療費の領収書、休職記録などを確認しながら、事実に沿って整理しましょう。


7.年金請求書と添付書類をそろえる

初診日や年金加入状況に応じた年金請求書を使用します。

主な書類は次のとおりです。

  • 年金請求書
  • 所定の診断書
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 必要に応じて受診状況等証明書
  • 本人名義の金融機関口座を確認できる書類
  • 基礎年金番号またはマイナンバーを確認するための書類
  • 本人確認書類
  • 必要に応じて戸籍、住民票、所得関係書類など

加算の対象となる配偶者や子がいる場合などは、家族関係や生計維持関係を確認する書類が必要になることがあります。

マイナンバーの登録状況などにより、一部の添付書類を省略できる場合もあります。
実際に必要な書類は一人ひとり異なるため、年金事務所などで渡された必要書類一覧に沿って準備しましょう。


8.請求書類を提出する

障害基礎年金の請求先は、初診日や加入状況などによって、市区町村の国民年金窓口または年金事務所などになります。
障害厚生年金は、原則として年金事務所へ請求します。
共済組合の加入期間に初診日がある場合などは、提出先が異なることがあります。

提出前に、次の点を確認しましょう。

  • 記入漏れがないか
  • 必要な署名があるか
  • 診断書の現症日が適切か
  • 診断書の有効期間を過ぎていないか
  • 受診歴に抜けがないか
  • 医療機関名や日付に矛盾がないか
  • 必要な添付書類がそろっているか
  • 振込口座が本人名義か
  • 提出書類の控えを取ったか

提出した書類は返却されないことがあるため、年金請求書、診断書、申立書、証明書などは、提出前に一式のコピーを保管しておきましょう。


9.審査結果を待つ

提出後、日本年金機構などで、初診日、保険料納付要件、障害の状態、提出書類の内容などが審査されます。
審査の途中で、書類の追加提出や内容の照会を求められる場合があります。
追加書類の案内が届いた場合は、内容と提出期限を確認し、必要に応じて年金事務所や医療機関へ相談しましょう。
審査期間は一律ではありません。
傷病の内容、初診日の確認状況、提出書類の内容、照会の有無などによって異なります。


10.決定通知を確認する

審査が終わると、支給または不支給などの決定内容を示す通知が届きます。

支給が決定した場合は、次のような点を確認します。

  • 障害年金の種類
  • 障害等級
  • 支給開始年月
  • 年金額
  • 次回の診断書提出時期
  • 振込予定

障害の状態を定期的に確認する必要がある場合は、一定期間後に障害状態確認届の提出が求められます。

不支給や希望していた等級と異なる決定となった場合は、決定内容や理由を確認します。
不服申立てには期限があるため、対応を検討する場合は早めに年金事務所や社会保険労務士などへ相談しましょう。


主な必要書類

必要書類は請求する方によって異なりますが、一般的に次のような書類を使用します。

年金請求書

障害年金を請求するための中心となる書類です。
障害基礎年金用と、障害厚生年金などの請求に使用する様式があります。
氏名、住所、基礎年金番号、配偶者や子の状況、初診日、受診した医療機関などを記載します。


診断書

医師が、病気やけがの状態、治療経過、検査結果、日常生活や就労の状況などを記載する書類です。
傷病や障害の種類に対応した所定の様式を使用します。
請求方法によって、障害認定日頃の診断書、請求時に近い時点の診断書、またはその両方が必要になる場合があります。


受診状況等証明書

初診時の医療機関と、診断書を作成する医療機関が異なる場合などに、初診日を確認するために使用します。
初診時の医療機関が作成します。
受診状況等証明書を取得できない場合は、別の申立書や参考資料が必要になる可能性があります。


病歴・就労状況等申立書

発病から現在までの受診歴、治療経過、日常生活、就労状況などを記載します。
診断書だけでは伝わりにくい、生活や仕事への具体的な影響を補足する書類です。
原則として請求者側が作成します。


金融機関の口座を確認できる書類

年金の振込先となる本人名義の口座を確認します。
通帳、キャッシュカードなど、金融機関名、支店名、口座番号、口座名義が確認できるものを用意します。


基礎年金番号・本人確認に関する書類

基礎年金番号通知書、年金手帳、マイナンバーカードなど、ご本人の年金記録や本人確認に必要な書類を用意します。
必要となる書類は、マイナンバーの登録状況や提出先によって異なる場合があります。


家族に関する書類

配偶者や子に関する加算などを確認する場合は、次のような書類が必要になることがあります。

  • 戸籍謄本など
  • 世帯全員の住民票
  • 配偶者の所得を確認できる書類
  • 子の在学状況や障害の状態を確認する書類
  • 生計維持関係を確認する書類

必要な書類は、家族構成やマイナンバーの登録状況などによって異なります。


診断書を依頼する前に確認しましょう

医療機関へ診断書を依頼する前に、次の内容を確認してください。

  • 使用する診断書の種類
  • 診断書に記載してもらう時点
  • 障害認定日による請求か、事後重症による請求か
  • 過去と現在の2枚の診断書が必要か
  • 初診日の証明が別に必要か
  • レントゲンフィルムや心電図などの添付が必要か
  • 診断書の提出期限
  • 医療機関の作成費用と期間

様式を間違えたり、必要な時点と異なる診断書が作成されたりすると、再作成が必要になる可能性があります。

年金事務所などで必要書類を確認し、所定の様式を受け取ってから医療機関へ依頼しましょう。


医師へ伝えておきたいこと

医師は、診察時の内容や診療記録をもとに診断書を作成します。
しかし、短い診察時間だけでは、日常生活や仕事の実際の状況が十分に伝わっていないことがあります。

普段の診察から、次のようなことを具体的に伝えておきましょう。

  • 一人でできなくなったこと
  • 家族などから受けている援助
  • 症状が悪い日の様子
  • 外出や人との交流の状況
  • 服薬や通院の管理
  • 仕事や学校で困っていること
  • 職場で受けている配慮
  • 欠勤、休職、退職などの経過
  • 福祉サービスの利用状況

診断書に特定の内容を書くよう求めるのではなく、実際の生活状況を具体的かつ正確に伝えることが大切です。


書類同士の内容を確認しましょう

障害年金の審査では、診断書だけでなく、受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書なども確認されます。

提出前に、次の点に大きな食い違いがないか確認しましょう。

  • 初診日
  • 発病時期
  • 医療機関の名称
  • 受診期間
  • 転院の経過
  • 病名
  • 休職や退職の時期
  • 日常生活の状況
  • 就労状況

書類の内容を無理に同じにする必要はありません。

医療機関ごとに把握している内容が異なることや、発病日と初診日が異なることもあります。
食い違いがある場合は、なぜ異なるのかを確認し、必要に応じて説明できるようにしておきましょう。


書類を提出する前の確認項目

年金請求書

  • 記入漏れがないか
  • 基礎年金番号などが正しいか
  • 配偶者や子の情報が正しいか
  • 振込口座が本人名義か

診断書

  • 使用する様式が正しいか
  • 必要な時点の診断書になっているか
  • 医師の記名などがあるか
  • 未記入欄がないか
  • 作成日や現症日を確認したか

受診状況等証明書

  • 初診時の医療機関が作成しているか
  • 初診日や受診経過を確認したか
  • 診断書などとの関係に不明点がないか

病歴・就労状況等申立書

  • 発病から現在まで期間を空けずに記載したか
  • 受診していない期間も記載したか
  • 日常生活や仕事への影響を具体的に記載したか
  • 医療機関名や受診時期に誤りがないか

添付書類

  • 必要な戸籍や住民票などがそろっているか
  • 有効期限がある書類は期限内か
  • 本人確認書類を準備したか
  • 提出書類一式のコピーを取ったか

よくある思い込み

先に診断書を取れば手続きが早く進む

先に診断書を依頼すると、様式や記載時点が違い、再作成が必要になることがあります。
まずは年金事務所などで、請求方法と必要書類を確認しましょう。

現在の主治医の診断書だけで申請できる

初診時と現在の医療機関が異なる場合は、受診状況等証明書が必要になることがあります。
過去にさかのぼって請求する場合は、過去の時点の診断書も必要になる可能性があります。

障害者手帳があれば診断書は不要

障害者手帳と障害年金は別の制度です。
障害者手帳を持っていても、原則として障害年金所定の診断書が必要です。

書類をすべて自分で用意してから相談する

最初からすべてをそろえる必要はありません。
初診日や受診歴がわかる範囲で、年金事務所や社会保険労務士へ相談できます。

書類を提出すれば必ず受給できる

必要書類を提出しても、受給が決まるわけではありません。
初診日、保険料納付要件、障害の状態などが個別に審査されます。


申請準備について相談したい方へ

eNENKIN.netでは、障害年金について相談できる社会保険労務士の情報を掲載しています。
対応地域、相談方法、主な相談内容、費用の目安などを確認しながら、ご自身やご家族の状況に合う相談先をお探しいただけます。

相談するときは、わかる範囲で次の内容を伝えるとよいでしょう。

  • 現在の病名や症状
  • 初診日または初診日と思われる時期
  • これまでに受診した医療機関
  • 現在通院している医療機関
  • 年金事務所へ相談したことがあるか
  • すでに取得した書類があるか
  • 自分で申請するか、支援を依頼するか迷っていること
  • 過去に障害年金を申請したことがあるか

すべてを整理できていなくても相談できます。

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ご確認ください

障害年金の必要書類は、初診日、加入していた年金制度、傷病、受診歴、請求方法、家族構成などによって異なります。
このページに記載した書類が、すべての方に必要となるわけではありません。また、記載していない追加書類が必要になる場合もあります。
診断書を医療機関へ依頼する前に、使用する様式、記載してもらう時点、必要な添付書類を年金事務所などで確認してください。
正式な手続きについては、年金事務所、市区町村の国民年金窓口、街角の年金相談センター、または障害年金を扱う社会保険労務士へご相談ください。