病気やけがで、仕事や日常生活に支障を感じている方へ
障害年金は、病気やけがによって仕事や日常生活に支障がある方の暮らしを支える、公的年金制度の一つです。
「年金」という言葉から、高齢になってから受け取るものを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、障害年金は現役世代の方も対象となる制度です。
障害者手帳を持っていない方や、働いている方でも、病気やけがの状態、生活や仕事への影響などによっては対象となる可能性があります。
ただし、病名や診断を受けたことだけで、受給できるかどうかが決まるわけではありません。
まずは障害年金の基本的な仕組みと、申請を考えるときに確認したいポイントを知ることから始めましょう。
障害年金とは
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、一定の要件を満たす方へ支給される公的年金です。
対象となるのは、身体の病気やけがだけではありません。
精神疾患、発達障害、知的障害、がん、難病、心疾患、腎疾患、糖尿病など、さまざまな病気やけがが対象となる可能性があります。
大切なのは病名だけではなく、その病気やけがによって、日常生活や仕事にどの程度の支障が生じているかという点です。
障害年金には2つの種類があります
障害年金には、主に「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
どちらの年金に該当するかは、原則として、障害の原因となった病気やけがで初めて医師や歯科医師の診療を受けた日に、どの年金制度に加入していたかによって決まります。
障害基礎年金
初診日に国民年金へ加入していた方や、20歳前に初診日がある方などが対象となる可能性があります。
障害の状態が、法令で定められた1級または2級に該当する場合に支給されます。
障害厚生年金
初診日に厚生年金へ加入していた会社員などが対象となる可能性があります。
障害の状態に応じて1級、2級または3級があり、一定の場合には障害手当金という一時金の対象になることもあります。
申請を考えるときの3つのポイント
障害年金を受給するためには、主に次の点を確認します。
1.初診日
初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。
現在通院している病院を初めて受診した日とは限りません。
同じ病気やけがで以前に別の医療機関を受診していた場合は、以前の受診日が初診日になることがあります。
初診日は、障害基礎年金と障害厚生年金のどちらに該当するかを判断するうえでも重要です。
2.保険料の納付状況
障害年金の申請では、原則として、初診日の前日時点で一定の保険料納付要件を満たしている必要があります。
国民年金保険料を納めていた期間だけでなく、免除や納付猶予の承認を受けていた期間も確認の対象になります。
なお、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料納付要件はありません。
自分の納付状況がわからない場合は、年金事務所などで確認することができます。
3.障害の状態
障害年金では、病名だけではなく、病気やけがによって日常生活や仕事にどの程度の支障が生じているかが確認されます。
同じ病名であっても、症状や治療の経過、生活環境、周囲から受けている援助などは一人ひとり異なります。
診断書には、症状だけでなく、日常生活や就労の状況についても適切に反映されることが大切です。
「働いているから対象外」とは限りません
仕事をしている方は、障害年金を受け取れないと思われることがあります。
しかし、働いていることだけを理由に、障害年金の対象外になるわけではありません。
どのような仕事をしているか、勤務時間や仕事内容に配慮を受けているか、欠勤や休職があるか、職場や家族からどのような援助を受けているかなど、実際の就労状況を含めて確認されます。
一方で、傷病や障害の種類によっては、就労状況が判断に大きく関係する場合があります。
「働いているから申請できない」と最初から決めつけず、ご自身の生活や仕事の状況を整理してみることが大切です。
障害者手帳がなくても申請できます
障害年金と障害者手帳は、目的や認定基準が異なる制度です。
そのため、障害者手帳を持っていない方でも障害年金を申請できます。
また、障害者手帳の等級と障害年金の等級は、必ずしも同じにはなりません。
手帳の有無や等級だけで判断せず、障害年金としての要件を確認する必要があります。
障害年金の主な申請方法
障害年金の請求方法は、障害の状態が基準に該当した時期によって異なります。
障害認定日による請求
原則として、初診日から一定期間が経過した障害認定日の時点で、障害の状態が基準に該当していた場合の請求です。
障害認定日の時点までさかのぼって請求できる場合がありますが、実際に受け取れる期間には時効による制限があります。
事後重症による請求
障害認定日の時点では基準に該当しなかったものの、その後症状が重くなり、障害の状態が基準に該当した場合の請求です。
原則として、請求した月の翌月分から支給の対象となるため、申請時期も大切になります。
20歳前に初診日がある場合
20歳前に初診日がある方は、20歳に達した時点または一定の時期の障害の状態によって、障害基礎年金の対象となる可能性があります。
この場合、保険料納付要件はありませんが、本人の所得による支給制限があります。
申請にはどのような書類が必要ですか
必要な書類は、一人ひとりの状況によって異なりますが、主に次のような書類を準備します。
- 年金請求書
- 医師が作成する診断書
- 初診日を確認するための書類
- 病歴・就労状況等申立書
- 戸籍や住民票などの本人・家族関係を確認する書類
- 振込先口座を確認する書類
特に、初診日の確認、診断書、病歴・就労状況等申立書は、障害年金の申請において重要な書類です。
書類を集める前に、初診日やこれまでの通院歴を整理しておくと、手続きを進めやすくなります。
自分で申請することもできます
障害年金は、ご本人やご家族が年金事務所などへ相談し、ご自身で申請することもできます。
一方で、次のような場合は、障害年金を扱う社会保険労務士への相談を検討する方法もあります。
- 初診日がいつなのかわからない
- 最初に受診した医療機関の記録が残っていない
- 複数の病気やけががある
- 通院歴が長く、経過を整理することが難しい
- 診断書を依頼するときの説明に不安がある
- 病歴・就労状況等申立書をまとめることが難しい
- ご本人が手続きを進めることが難しい
- 一度申請したものの不支給になった
- 更新の手続きについて不安がある
相談したからといって、必ず申請や契約をしなければならないわけではありません。
まずは今の状況を話し、どのような進め方が考えられるのかを確認することから始められます。
障害年金について、よくある思い込み
病名がつけば受給できる
障害年金は病名だけで決まるものではありません。初診日、保険料の納付状況、障害の状態などを総合的に確認します。
働いていると受給できない
働いていることだけで対象外になるわけではありません。仕事の内容や勤務状況、職場で受けている配慮なども含めて確認されます。
障害者手帳が必要になる
障害者手帳を持っていなくても、障害年金を申請できます。
軽い病気は対象にならない
病名の一般的な重さではなく、その方の日常生活や仕事への具体的な影響が重要です。
社労士に依頼しなければ申請できない
ご本人やご家族による申請も可能です。手続きに不安がある場合などに、社会保険労務士へ相談する選択肢があります。
まずは、今の状況を整理してみましょう
障害年金について、最初からすべてを理解する必要はありません。
まずは、次のことをわかる範囲で確認してみましょう。
- 現在の病名やけがの状態
- 初めて医療機関を受診した時期
- これまでに受診した医療機関
- 現在の日常生活で困っていること
- 仕事をするうえで困っていること
- 家族や職場から受けている援助
- 障害者手帳の有無
- これまでに障害年金を申請したことがあるか
わからない項目があっても問題ありません。
整理できるところから始めることで、次に確認すべきことや、相談時に伝えたいことが見えやすくなります。
障害年金について、さらに詳しく知る
初診日について
障害年金の種類や保険料納付要件を確認する基準となる、重要な日です。
対象となる病気やけが
精神疾患、身体の病気やけが、難病など、さまざまな傷病が対象となる可能性があります。
障害年金の申請の流れ
相談先の確認から書類の準備、提出、審査までの基本的な流れをご案内します。
必要な書類
診断書、初診日を確認する書類、病歴・就労状況等申立書などについてご案内します。
働いている方の障害年金
仕事を続けながら申請を考える場合に、整理しておきたいポイントをご案内します。
▶︎▶︎働いている方の情報を見る
ご家族の方へ
ご本人に代わって障害年金を調べたり、相談先を探したりしているご家族へ向けた情報です。
障害年金について相談できる社会保険労務士
「自分が対象になる可能性を確認したい」
「何から準備すればよいかわからない」
「家族について相談したい」
そのような段階でも、社会保険労務士へ相談できます。
eNENKIN.netでは、対応地域、相談方法、主な相談内容などを確認しながら、障害年金について相談できる社会保険労務士を探すことができます。
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ご確認ください
障害年金を受給できるかどうかは、病気やけがの状態、初診日、保険料の納付状況、提出書類などをもとに個別に審査されます。
当サイトの情報だけで、受給の可否を判断することはできません。
制度や手続きについて正確に確認したい場合は、年金事務所、市区町村の国民年金窓口、または障害年金を扱う社会保険労務士へご相談ください。