障害年金を受給している方の中には、指定された年に「障害状態確認届(診断書)」の提出が必要な方がいます。
一般に「障害年金の更新」と呼ばれる手続きです。
障害状態確認届では、引き続き障害等級に該当する状態にあるかどうかが確認されます。
提出時期が近づいてから慌てないよう、書類が届いたら早めに内容を確認しましょう。
障害年金の更新とは
障害年金には、障害の状態に応じて、一定期間ごとに診断書の提出が必要となる場合があります。
日本年金機構から送付される「障害状態確認届(診断書)」を医師に記載してもらい、書類に記載された期限までに提出します。
すべての障害年金受給者が、毎年提出するわけではありません。
毎年提出する方、数年ごとに提出する方、定期的な診断書の提出を求められない方など、提出時期は一人ひとり異なります。
次回の診断書提出時期は、年金証書の「次回診断書提出年月」や、日本年金機構から届くお知らせなどで確認できます。
提出時期がわからない場合や、提出時期を過ぎても書類が届かない場合は、年金事務所やねんきんダイヤルなどへ確認しましょう。
障害状態確認届が届いたら確認すること
障害状態確認届が届いたら、まず次の項目を確認しましょう。
- 提出期限
- 診断書に記載してもらう障害状態の期間
- 医療機関へ診断書を依頼する時期
- 医療機関での作成にかかる日数
- 現在通院している医療機関
- 現在の傷病や症状
- 日常生活で困っていること
- 家族などから受けている援助
- 現在の就労状況
- 職場で受けている配慮
- 前回の更新時から変化したこと
障害状態確認届には、原則として、提出期限前3か月以内の障害の状態を医師に記載してもらいます。
医療機関へ早すぎる時期に作成を依頼すると、必要な期間の診断書にならない可能性があります。
一方で、診断書の作成に数週間かかる医療機関もあります。
用紙に記載された期間と提出期限を確認したうえで、医療機関へ早めに相談しましょう。
更新手続きの基本的な流れ
1.障害状態確認届が届く
日本年金機構から届いた書類を開封し、氏名、提出期限、診断書の種類などを確認します。
書類を受け取ったままにせず、医療機関へ依頼できる時期や、作成にかかる日数を早めに確認しましょう。
2.医療機関へ作成を依頼する
現在の障害の状態を診察している医師へ、障害状態確認届の診断書欄の作成を依頼します。
医療機関によっては、診断書の完成までに時間がかかることがあります。
提出期限の直前では間に合わない可能性があるため、余裕を持って依頼してください。
3.完成した診断書を確認する
診断書が完成したら、受け取ったまま提出するのではなく、少なくとも次の点を確認しましょう。
- 氏名や生年月日に誤りがないか
- 診断書の現症日が指定された期間内か
- 医師の記名などがあるか
- 明らかな記載漏れがないか
- 現在の通院・治療状況が記載されているか
- 就労状況が現在の実情と大きく異なっていないか
- 日常生活の状態が医師へ伝えていた内容と大きく異なっていないか
診断内容を本人の希望に合わせて変更してもらうことはできません。
ただし、明らかな事実誤認や記載漏れがある場合は、提出前に医療機関へ確認しましょう。
4.提出前にコピーを保管する
完成した障害状態確認届は、提出前に表裏すべてのコピーまたは画像を保管しておきましょう。
今回提出した診断書は、次回の更新や、更新結果について相談するときにも役立ちます。
前回の診断書の控えがある場合は、今回の内容と比較することで、症状、生活状況、就労状況の変化を確認できます。
5.期限までに提出する
障害状態確認届は、書類に記載された期限までに提出します。
郵送する場合は、提出期限の日に発送するのではなく、期限までに届くよう余裕を持って送りましょう。
提出先や提出方法は、送付された案内で確認してください。
主治医へ依頼する前に整理したいこと
診察時間だけでは、日常生活や仕事の状況をすべて医師に伝えることが難しい場合があります。
診断書を依頼する前に、次のような内容を整理しておくと伝えやすくなります。
日常生活について
- 食事や身だしなみを一人で行えるか
- 掃除、洗濯、買い物などの家事を行えるか
- 服薬や通院を自分で管理できるか
- 金銭管理ができるか
- 外出や公共交通機関の利用ができるか
- 人との会話や対人関係に負担があるか
- 家族の声かけや付き添いが必要か
- 一人で生活できる状態か
- 福祉サービスを利用しているか
仕事について
- 現在働いているか
- 一般雇用か障害者雇用か
- 勤務日数と勤務時間
- 担当している仕事内容
- 職場で受けている配慮
- 上司や同僚から受けている援助
- 欠勤、遅刻、早退の状況
- 休職や復職の経過
- 帰宅後や休日の状態
- 家族の援助がなければ勤務を続けられるか
前回から変化したこと
- 症状が重くなった、または軽くなった
- 治療内容や薬が変わった
- 入院や手術をした
- 一人暮らしを始めた
- 家族から受ける援助が変わった
- 就職、転職、休職、退職をした
- 勤務時間や仕事内容が変わった
- 福祉サービスを利用し始めた
- できなくなったこと、できるようになったこと
実際にできていることだけでなく、家族や職場の援助があるためにできていることも整理しましょう。
前回と同じ内容であることが大切なのではなく、現在の状態が正確に伝わることが大切です。
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障害年金の診断書を依頼する前に確認すること
前回の診断書も確認しましょう
前回提出した診断書の控えがある場合は、今回の依頼前に確認しておくとよいでしょう。
確認する目的は、今回の診断書を前回と同じ内容にしてもらうことではありません。
前回と現在を比べて、どのような変化があったかを整理するためです。
前回の診断書が手元にない場合でも、現在の症状や生活状況をわかる範囲で整理すれば構いません。
医療機関を変更した場合
前回の更新後に医療機関を変更している場合は、現在の障害状態を診察している医師へ早めに相談しましょう。
転院して間もない場合は、現在の医師が、これまでの症状や生活状況を十分に把握していないことがあります。
次のような資料がある場合は、確認しながらこれまでの経過を伝えましょう。
- 紹介状
- お薬手帳
- 検査結果
- 前回の診断書の控え
- 入院や手術の記録
- 症状や生活状況を整理したメモ
どの医師へ依頼するか迷う場合は、医療機関や年金事務所へ確認してください。
主治医へ依頼できない場合
主治医の退職、転院、長期休診などにより、これまでの医師へ診断書を依頼できない場合があります。
まずは、現在通院している医療機関へ、別の医師が作成できるか確認してください。
医療機関を変更する必要がある場合でも、新しい医師がすぐに過去から現在までの状態を判断できるとは限りません。
提出期限が近い場合は、そのままにせず、早めに年金事務所へ事情を伝え、対応方法を確認しましょう。
働き始めたら支給停止になりますか
働き始めたことや、一人暮らしを始めたことだけで、自動的に支給停止となるわけではありません。
更新では、傷病の状態だけでなく、日常生活への影響や就労状況なども含めて確認されます。
働いている場合は、勤務時間、仕事内容、職場で受けている配慮、欠勤状況、帰宅後や休日の状態などを整理しておきましょう。
「働いている」という事実だけでなく、どのような支援や制限のもとで勤務を続けているかを伝えることが大切です。
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一人暮らしを始めた場合
一人暮らしを始めたことだけで、障害の状態が軽くなったと判断されるわけではありません。
実際には、次のような援助を受けながら生活している場合があります。
- 家族が定期的に訪問している
- 食事を届けてもらっている
- 掃除や洗濯を手伝ってもらっている
- 電話で服薬や予定を確認してもらっている
- 訪問看護やホームヘルプを利用している
- 金銭管理を家族に任せている
生活の形だけでなく、どのような援助によって生活が成り立っているかを整理しましょう。
更新後に考えられる結果
障害状態確認届などによる確認の結果、次のような場合があります。
- 同じ等級で支給が継続する
- 上位の等級へ変更される
- 下位の等級へ変更される
- 支給停止となる
現在の障害状態が前回より重いと判断された場合は、上位の等級へ変更されることがあります。
反対に、障害の程度が軽くなったと判断された場合は、下位の等級への変更や支給停止となることがあります。
更新手続きで診断書を提出したからといって、必ず同じ等級で支給が続くとは限りません。
一方で、働き始めたことや一人暮らしを始めたことだけで、自動的に支給停止になるわけでもありません。
更新後に等級が変わった方
更新後に等級変更の通知が届いた場合は、通知書の内容と変更時期を確認してください。
結果に疑問がある場合は、次の書類を用意して内容を整理します。
- 更新後に届いた通知書
- 更新時に提出した障害状態確認届の控え
- 前回の診断書の控え
- 年金証書
- 現在の治療状況がわかる資料
- 日常生活や就労状況がわかる資料
決定内容に不服がある場合は、審査請求を検討できることがあります。
不服申立てには期限があるため、通知書が届いた日も記録しておきましょう。
更新後に支給停止となった方
更新の結果、障害年金が支給停止となった場合でも、受給権そのものが直ちになくなるとは限りません。
まずは、支給停止に関する通知書の内容を確認してください。
支給停止後には、状況に応じて次のような対応が考えられます。
- 支給停止となった決定内容を確認する
- 審査請求を検討する
- その後に障害の状態が重くなった場合の手続きを確認する
支給停止後に障害の状態が再び重くなり、障害年金を受けられる程度になった場合は、支給再開のための手続きを検討できることがあります。
不支給と支給停止の違い
不支給
障害年金を申請したものの、受給要件を満たしていないなどの理由で、受給権が認められなかった状態です。
支給停止
一度は障害年金の受給権が認められたものの、更新などにより、障害の程度が支給対象となる状態に該当しないと判断され、年金の支払いが止まっている状態です。
不支給と支給停止では、確認する通知書や検討する手続きが異なります。
どちらに該当するかわからない場合は、届いた通知書の名称と内容を確認してください。
提出期限に間に合わない場合
障害状態確認届の提出が遅れたり、記載内容に不備があったりすると、年金の支払いが一時的に止まる場合があります。
期限までに提出できなかった場合でも、そのままにせず、医師に診断書を作成してもらい、速やかに提出してください。
医療機関での作成が期限に間に合わないとわかった場合は、医療機関と年金事務所へ早めに相談しましょう。
障害状態確認届を紛失した場合
障害状態確認届を紛失した場合は、年金事務所へ再交付について相談してください。
自己判断で別の診断書様式を使用せず、どの用紙を使用すればよいか確認しましょう。
更新に関する書類は保管しましょう
更新手続きや更新後の結果について相談するときは、次の書類が重要になります。
更新時期を迎えた方
- 障害状態確認届
- 年金証書
- 前回の診断書の控え
- 次回の診断書提出時期に関するお知らせ
- 現在の治療状況がわかる資料
- 日常生活や就労状況を整理したメモ
等級変更となった方
- 等級変更に関する通知書
- 更新時に提出した障害状態確認届の控え
- 前回の診断書の控え
- 年金証書
- 通知書を受け取った日がわかるもの
支給停止となった方
- 支給停止に関する通知書
- 更新時に提出した障害状態確認届の控え
- 前回の診断書の控え
- 年金証書
- 現在の障害状態がわかる資料
- 通知書を受け取った日がわかるもの
書類の控えがすべて揃っていなくても相談できますが、手元にあるものは処分せずに保管してください。
今後提出する診断書は、提出前にコピーや画像を残しておくと安心です。
早めに確認したい場合
次のような場合は、そのままにせず、早めに内容を確認しましょう。
- 障害状態確認届が届いた
- 提出期限が近づいている
- 更新用の障害状態確認届が届かない
- 主治医へ診断書を依頼できない
- 医療機関での作成が期限に間に合わない
- 前回の更新時から症状や生活状況が変わった
- 働き始めた、または働き方が変わった
- 医療機関を変更した
- 等級変更の通知が届いた
- 支給停止の通知が届いた
- 更新結果に疑問がある
- 支給停止後に障害の状態が重くなった
期限が迫っている場合は、年金事務所などへ早めに確認してください。
よくある疑問
更新のたびに、障害年金を最初から申請するのですか
通常は、最初の請求と同じ書類をすべて揃え直すものではありません。
日本年金機構から送付された障害状態確認届を医師に作成してもらい、期限までに提出します。
毎年、更新が必要ですか
提出時期は一人ひとり異なります。
毎年の方もいれば、数年ごとの方、定期的な提出がない方もいます。
更新すれば、必ず同じ等級で継続されますか
必ず同じ等級で継続されるとは限りません。
現在の障害状態によって、継続、等級変更、支給停止などが判断されます。
働き始めたら、更新で支給停止になりますか
働き始めたことだけで、自動的に支給停止となるわけではありません。
仕事内容、勤務時間、職場で受けている配慮、勤務の安定性、日常生活への影響なども含めて確認されます。
障害状態確認届が届かない場合はどうすればよいですか
年金証書や前回のお知らせで提出時期を確認し、届く時期を過ぎていると思われる場合は、年金事務所やねんきんダイヤルへ確認してください。
診断書の作成が期限に間に合わない場合はどうすればよいですか
そのままにせず、医療機関と年金事務所へ早めに相談してください。
提出が遅れると、年金の支払いが一時的に止まる場合があります。
診断書の内容に納得できない場合はどうしますか
患者側が診断内容を指定することはできません。
ただし、明らかな事実誤認や記載漏れがある場合は、具体的な事実や資料を示して医療機関へ確認しましょう。
支給停止後に状態が重くなった場合はどうなりますか
障害の状態が再び重くなり、支給対象となる程度に該当した場合は、支給再開のための手続きを検討できることがあります。
更新手続きについて相談したい方へ
eNENKIN.netでは、障害年金の更新手続きや、更新後の等級変更・支給停止について相談できる社会保険労務士の情報を掲載しています。
社会保険労務士によって、次のような手続きへの対応範囲は異なります。
- 更新前の相談
- 障害状態確認届に関する相談
- 診断書を依頼する前の準備
- 日常生活や就労状況の整理
- 等級変更後の相談
- 支給停止後の相談
- 審査請求
- 支給停止後に状態が重くなった場合の手続き
掲載情報で、主な対応内容、相談方法、対応地域、費用の目安などを確認し、ご自身やご家族の状況に合う相談先をお探しください。
相談するときは、障害状態確認届、年金証書、過去の診断書、更新後に届いた通知書など、手元にある書類を用意すると状況を伝えやすくなります。
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ご確認ください
障害状態確認届が届いた方は、書類に記載された提出期限を確認してください。
更新後に等級変更や支給停止となった方は、届いた通知書と、更新時に提出した診断書の控えを保管してください。
更新後の決定に対する不服申立てには期限があります。
支給停止後に障害の状態が重くなった場合は、支給再開のための手続きを検討できることがあります。
正式な手続きについては、年金事務所、街角の年金相談センター、地方厚生局または該当する手続きに対応する社会保険労務士へご相談ください。