初診日は、障害年金の大切な確認項目です

障害年金の手続きでは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を確認します。

この日を「初診日」といいます。
初診日は、主に次のことを確認する基準になります。

  • 初診日に加入していた年金制度
  • 障害基礎年金と障害厚生年金のどちらを検討するか
  • 保険料納付要件を満たしているか
  • 障害認定日はいつになるか

そのため、ご本人やご家族の記憶だけではなく、原則として医療機関が作成した書類などによって確認します。

現在通院している医療機関を初めて受診した日が、障害年金の初診日とは限りません。
以前に同じ病気やけがで別の医療機関を受診していた場合は、その医療機関までさかのぼって確認する必要があります。

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原則となる初診日の証明

初診日の確認では、原則として、初診時の医療機関が作成した次のいずれかの書類を使用します。

  • 受診状況等証明書
  • 初診日を確認できる診断書

初診時の医療機関と、障害年金の診断書を作成する医療機関が異なる場合は、一般的に受診状況等証明書が必要です。

受診状況等証明書には、初診年月日、受診期間、傷病名、診療内容、前に受診した医療機関の有無などが記載されます。


受診状況等証明書とは

受診状況等証明書は、障害の原因となった病気やけがについて、最初に医療機関を受診した日を確認するための所定の書類です。
原則として、初診時の医療機関へ作成を依頼します。
現在の主治医ではなく、最初に受診した医療機関が作成する点に注意が必要です。

たとえば、次のような受診歴がある場合を考えてみましょう。

  1. 最初にA医院を受診した
  2. A医院からB病院へ転院した
  3. 現在はCクリニックへ通院している

この場合、障害年金の診断書をCクリニックに依頼するときは、原則として、最初のA医院に受診状況等証明書の作成を依頼します。


現在の医療機関が初診時の医療機関である場合

初診時から現在まで同じ医療機関へ通院している場合は、障害年金の診断書に初診日や当時の受診状況が記載されるため、別に受診状況等証明書を求められないことがあります。
ただし、診断書から初診日を確認できることが必要です。
同じ医療法人や同じ病院名であっても、診療科や診療記録の状況などによって取扱いの確認が必要になる場合があります。
必要書類は自己判断せず、年金事務所などで確認してください。


受診状況等証明書を依頼する前に

医療機関へ正式に証明書を依頼する前に、次のことを確認しましょう。

  • 障害年金の初診時の医療機関で間違いないか
  • その前に同じ傷病で受診した医療機関がないか
  • 診療記録が残っているか
  • 使用する書類が受診状況等証明書でよいか
  • 作成費用はいくらか
  • 完成までどのくらいかかるか
  • 本人以外が依頼する場合に委任状が必要か

必要な医療機関を確認せずに証明書を取得すると、さらに前の受診歴が判明し、別の医療機関の証明が必要になることがあります。

まずは通院歴を整理してから依頼すると安心です。

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受診状況等証明書で前の受診歴が判明する場合

受診状況等証明書には、医療機関が把握している前医の受診状況を記載する欄があります。

最初の医療機関だと思って証明書を依頼しても、診療録に、

  • 別の医療機関からの紹介
  • 以前の医療機関名
  • すでに治療や投薬を受けていたこと
  • 過去の受診時期

などが記載されていることがあります。

その場合は、さらに前の医療機関が初診時の医療機関となる可能性があります。
証明書を受け取ったら、初診年月日だけでなく、前医に関する記載も確認しましょう。


初診時の医療機関で証明を取得できない場合

初診時の医療機関による証明を得ることが難しい場合があります。

たとえば、次のような場合です。

  • 医療機関が閉院している
  • 診療録が廃棄されている
  • 医師が亡くなっている
  • 医療機関を特定できない
  • 医療機関名や所在地が変わっている
  • 長い年月が経過している
  • 災害などで記録が失われている

このような場合でも、すぐに障害年金を諦める必要はありません。

初診時の医療機関の証明が得られない場合は、請求者の状況に応じて、別の初診日確認資料を提出する方法が設けられています。


受診状況等証明書が添付できない申立書

初診時の医療機関から受診状況等証明書を取得できない場合は、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を使用することがあります。

この書類には、主に次のような内容を記載します。

  • 初診時の医療機関名
  • 受診したと思われる時期
  • 医療機関の所在地
  • 受診状況等証明書を取得できない理由
  • 受診時の症状や診療内容
  • その後の受診経過
  • 初診日を確認するために提出する参考資料

この申立書だけで、申し立てた日が自動的に初診日として認められるわけではありません。

原則として、初診日を確認するための資料と併せて提出し、提出された書類全体から個別に確認されます。


初診日の確認資料となる可能性があるもの

初診時の医療機関による証明を取得できない場合は、状況に応じて、次のような資料が初診日確認の参考となる可能性があります。

  • 次に受診した医療機関の診療録や証明書
  • 医療機関が作成した紹介状
  • 入院記録
  • 手術記録
  • 健康診断の記録
  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
  • 手帳申請時の診断書
  • 労災や事故に関する資料
  • 生命保険・損害保険などの給付申請時の診断書
  • 会社や学校へ提出した診断書
  • 母子健康手帳
  • 医療機関や行政機関などが作成した記録
  • 初診日に関する第三者からの申立書

どの資料を利用できるかは、初診日が20歳前か20歳以後か、資料が作成された時期、記載内容、ほかの資料との整合性などによって異なります。

資料が一つ見つかっただけで初診日が確定するとは限りません。


次に受診した医療機関の記録

最初の医療機関の診療記録が残っていなくても、次に受診した医療機関の記録に、以前の受診歴が記載されていることがあります。

たとえば、

  • 前に受診した医療機関名
  • 前医を受診した年月
  • 紹介元の医療機関
  • 以前から服用していた薬
  • 過去に診断された病名
  • 症状が始まった時期

などです。

一番古い受診記録を確認できる医療機関から、受診状況等証明書を取得することがあります。
ただし、その書類で初診日まで確認できるかは、記載内容やほかの資料との関係から個別に判断されます。


診察券やお薬手帳などの取扱い

次のようなものは、受診した医療機関や時期を探す手がかりになることがあります。

  • 診察券
  • お薬手帳
  • 薬局でもらった薬の説明書
  • 医療費の領収書
  • 医療費通知
  • 預金通帳の支払記録
  • 当時の予定表や日記
  • 家族とのメールやメッセージ
  • 医療機関の予約票

ただし、これらは、そのまま正式な初診日の証明として認められるとは限りません。
たとえば、診察券に発行日が記載されていても、その日が初診日であることまで確認できない場合があります。

これらは主に、

  • 医療機関名を思い出す
  • 受診時期を絞り込む
  • 医療機関へ問い合わせる
  • ほかの客観的な資料を探す

ための手がかりとして活用します。

厚生労働省の取扱いでも、参考資料には診察券や入院記録など、初診日について客観性が認められる資料が必要とされています。


健康診断を受けていた場合

健康診断で異常を指摘された後に医療機関を受診した場合、原則として、健康診断を受けた日ではなく、その後に初めて医師の診療を受けた日が初診日となります。
ただし、健康診断の記録が、症状や受診時期を確認する資料として役立つ場合があります。

健康診断結果に、

  • 検査日
  • 異常を指摘された内容
  • 医療機関の受診を勧められたこと
  • その後の受診先

などが記録されていれば、受診経過を整理する手がかりになります。

健康診断日を初診日として扱えるかどうかを自己判断せず、年金事務所などで確認しましょう。


第三者からの申立書

初診時の医療機関の記録がない場合には、当時の受診状況を知っている第三者の申立書を提出できる場合があります。

第三者として考えられるのは、たとえば次のような方です。

  • 当時の友人や知人
  • 学校の教員
  • 職場の上司や同僚
  • 福祉施設や支援機関の職員
  • 当時の受診状況を直接把握していた医療従事者

第三者証明では、原則として複数の第三者による証明が必要とされます。

ただし、一人の証明であっても、受診に至った経過や医療機関でのやり取りが具体的に記載され、信憑性が高いと判断される場合には、確認資料となる可能性があります。
また、第三者が請求者から受診状況を聞いただけの場合は、いつ聞いたのかなどによって取扱いが異なります。


家族は第三者になりますか

初診日に関する第三者証明では、請求者の民法上の三親等以内の親族による証明は、原則として第三者証明として扱われません。
ただし、ご家族の記憶や手元の資料は、受診歴を整理したり、医療機関を探したりする手がかりになります。

家族の話を無意味と考える必要はありません。

まずは、

  • いつ頃から症状があったか
  • 誰が受診を勧めたか
  • 誰が通院に付き添ったか
  • どこの医療機関だったか
  • 当時どのような治療を受けていたか

を整理し、客観的な資料や第三者証明につながる情報を探しましょう。


20歳前に初診日がある場合

20歳前に初診日がある傷病について、初診時の医療機関の証明を取得できない場合も、第三者証明などを使って確認できることがあります。
20歳前傷病については、以前から複数の第三者証明によって初診日を確認する取扱いが設けられています。

ただし、

  • 20歳前に発病していたこと
  • 20歳前に医療機関を受診していたこと
  • 現在の傷病との関係
  • 第三者が当時の受診状況をどのように知ったか

などが確認されます。

20歳前の傷病だから、申立書だけで初診日が認められるというものではありません。


知的障害の場合

知的障害は、一般的な病気やけがと初診日の取扱いが異なり、原則として出生日が初診日として扱われます。
ただし、知的障害とは別に発達障害、精神疾患、身体疾患などがある場合は、それぞれの傷病の初診日を確認する必要が生じることがあります。
診断名や経過だけで自己判断せず、請求する傷病と初診日の関係を年金事務所などで確認しましょう。


発達障害の場合

発達障害は生まれつきの特性ですが、障害年金では、原則として、発達障害について初めて医師の診療を受けた日を初診日として確認します。
幼少期から学校生活や人間関係に困りごとがあった場合でも、成人後に初めて医療機関を受診して診断されることがあります。
この場合、幼少期から特性があったことだけで、出生日や幼少期の日付が初診日になるわけではありません。
以前に別の病名や症状で精神科、心療内科、小児科などを受診していた場合は、現在の発達障害との関係を含めて確認します。


病名が変わっている場合

最初の受診時と現在で病名が異なることがあります。

たとえば、

  • 不眠症からうつ病
  • 適応障害からうつ病
  • うつ病から双極性障害
  • 統合失調症から別の精神疾患
  • 腰痛から神経疾患
  • 高血圧から心疾患や腎疾患

などです。

病名が変わったからといって、病名が変更された日が新しい初診日になるとは限りません。
最初の傷病と現在の傷病の間に相当因果関係があるか、同じ傷病として一連の経過にあるかなどを、診療記録や医学的な内容から確認します。
ご本人だけで初診日を決めず、受診経過を時系列に整理しましょう。


通院が途切れている場合

最初に医療機関を受診した後、長期間通院していなかった場合でも、後の受診日が自動的に新しい初診日となるわけではありません。

通院していなかった期間について、

  • 症状がなくなっていたか
  • 治療や服薬を必要としていなかったか
  • 日常生活や仕事をどのように送っていたか
  • 症状はあったが受診できなかったのか
  • 再受診した理由は何か

などを確認する必要があります。

受診の間隔だけで判断するのではなく、傷病の状態や治療経過を含めて個別に確認します。


医療機関が閉院している場合の確認方法

初診時の医療機関が閉院している場合は、次のようなことを調べてみましょう。

  • 移転や名称変更をしていないか
  • 別の医療機関が診療記録を引き継いでいないか
  • 医師が別の医療機関で診療していないか
  • 医療法人が存続していないか
  • 次に受診した医療機関に紹介状や前医の情報がないか
  • 管轄の保健所などに閉院後の情報がないか

診療記録の保存先がわかる場合もあります。

ただし、保健所などが個々の患者の診療記録を必ず保管しているわけではありません。
確認できる情報の範囲は地域や医療機関の状況によって異なります。


診療録が残っていないと言われた場合

医療機関から診療録が残っていないと言われた場合でも、ほかの記録が残っていないか確認してみましょう。

たとえば、

  • 受付簿
  • 入院記録
  • 手術記録
  • 紹介状の控え
  • 検査記録
  • 医療費に関する記録
  • 電子カルテへ移行した際のデータ
  • 次の医療機関へ送った診療情報提供書の控え

などです。

ただし、どの記録が初診日の確認資料として使えるかは、記載内容によって異なります。
医療機関に証明書の記載を強く求めるのではなく、確認できる記録の範囲を尋ねましょう。


医療機関へ問い合わせるときに伝えること

医療機関へ問い合わせる前に、次の情報を整理しておきましょう。

  • 本人の氏名
  • 生年月日
  • 受診当時の氏名
  • 受診当時の住所
  • 受診したと思われる時期
  • 診療科
  • 当時の症状や病名
  • 入院や手術の有無
  • 障害年金の初診日確認であること

医療機関によっては、電話では診療記録の有無を回答できない場合があります。

本人確認書類や委任状、所定の申込書が必要になることもあります。


初診日の証明が難しい場合の進め方

初診日の証明が難しいときは、次の順番で整理すると進めやすくなります。

1.通院歴を時系列に整理する

発病から現在までに受診した医療機関と、おおよその時期を書き出します。

2.最初の医療機関を確認する

現在の傷病につながる最も古い受診先を確認します。

3.診療記録の有無を問い合わせる

正式な証明書を依頼する前に、記録が残っているか確認します。

4.次の医療機関の記録を確認する

前医の情報や紹介状の記録が残っていないか確認します。

5.手元の資料を探す

診察券、お薬手帳、手帳申請時の診断書などを確認します。

6.第三者証明を検討する

当時の受診状況を知る親族以外の方がいるか確認します。

7.年金事務所などへ相談する

どの書類をどの組み合わせで提出するかを確認します。

証明資料を自己判断で集め始めると、作成費用がかかる一方で、使用できない場合があります。
早い段階で年金事務所などへ相談しましょう。


同じ傷病・同じ初診日で再請求する場合

過去に障害年金を請求し、不支給となった後、同じ傷病・同じ初診日で再請求する場合は、以前提出した初診日証明書類を再利用できることがあります。
この場合は、前回の証明書類を使用したい旨の申出書を提出し、日本年金機構が以前の書類を確認できることなどが条件になります。
以前の請求書類の控えや不支給決定通知書がある場合は、再請求の相談時に持参しましょう。


受診状況等証明書を受け取ったら確認すること

医療機関から受診状況等証明書を受け取ったら、提出前に次の点を確認しましょう。

  • 氏名や生年月日に誤りがないか
  • 初診年月日が記載されているか
  • 受診期間が記載されているか
  • 傷病名や症状が記載されているか
  • 前に受診した医療機関の記載がないか
  • 医療機関名や医師名が記載されているか
  • 未記入欄や訂正箇所がないか

内容を本人の希望に合わせて変更してもらうことはできません。

ただし、氏名や日付などの明らかな誤りがある場合は、医療機関へ確認しましょう。


原本を提出する前にコピーを保管しましょう

受診状況等証明書、紹介状、第三者申立書などは、提出前にコピーまたは画像を保管しておきましょう。
初診日の証明資料は、後から再取得することが難しい場合があります。

控えは、次のようなときにも役立ちます。

  • 日本年金機構から照会があったとき
  • 不支給理由を確認するとき
  • 審査請求や再請求を検討するとき
  • 社会保険労務士へ相談するとき
  • ほかの提出書類との内容を確認するとき

よくある思い込み

診察券があれば初診日を証明できる

診察券は受診先や時期を探す手がかりになりますが、診察券だけで初診日を証明できるとは限りません。

現在の主治医に書いてもらえばよい

現在の医療機関より前に受診歴がある場合は、原則として、初診時の医療機関の証明が必要です。

最初の病名と現在の病名が違うので関係がない

病名が異なっていても、傷病同士に関係があり、一連の経過として確認される場合があります。

医療機関が閉院していたら申請できない

初診時の医療機関の証明が取れない場合にも、状況に応じた別の確認方法があります。

本人の申立書だけで初診日を決められる

本人の申立てだけで初診日が認められるとは限りません。
客観的な資料や第三者証明などを含めて確認されます。

資料をたくさん提出すれば認められる

資料の数だけで決まるものではありません。
資料がいつ作成され、誰が作成し、どのような事実が記載されているかが重要です。


初診日の証明について相談したい方へ

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相談するときは、わかる範囲で次の内容を伝えるとよいでしょう。

  • 現在の病名
  • 最初に症状が現れたと思われる時期
  • 最初に受診したと思われる医療機関
  • これまでに受診した医療機関
  • 初診時の医療機関が現在もあるか
  • 診療記録が残っているか
  • 手元にある診察券やお薬手帳など
  • 通院に付き添った方や当時の状況を知る方
  • 過去に障害年金を申請したことがあるか
  • 年金事務所で初診日の相談をしたことがあるか

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相談や申請支援を依頼する場合は、相談者と各社会保険労務士または所属事務所との直接契約となります。


ご確認ください

初診日は、原則として、初診時の医療機関が作成した受診状況等証明書または診断書によって確認します。
初診時の医療機関から証明を取得できない場合は、受診状況等証明書が添付できない申立書と、初診日を確認するための資料などを提出する方法があります。
ただし、利用できる資料や必要な書類の組み合わせは、初診日、年齢、受診経過、資料の作成時期や内容などによって異なります。
診察券、お薬手帳、ご本人やご家族の記憶だけで、正式な初診日が確定するものではありません。
正式な確認方法については、年金事務所、街角の年金相談センター、または障害年金を扱う社会保険労務士へご相談ください。